kiriko

負け犬の美学のkirikoのネタバレレビュー・内容・結末

負け犬の美学(2017年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

とても好きな映画の一本になったかも。
年齢のピークはとっくに過ぎてる、そもそも〝もってない〟勝てないボクサー。
会場に入れてもらえないとこなんか切ないは情けないわ…でも本人は全くスレてない、やさぐれてない。勝敗も誤魔化さない、馬鹿にされても受け流す。そこがとても格好いい。
そんな主人公が無茶をする、その理由が娘のピアノのためっていうのがまたいい。お金が入っても全て家族のために使ってる。
奥さんも格好いい。勝てない旦那さんを馬鹿にせず、受け入れ、無茶は心配する。娘もそうで、ただお父さんを馬鹿にされるのが悔しい。
主人公の素直さと努力している姿を見て、最初は馬鹿にしていた他のボクサーも段々応援するようになって。シャワーのシーンとっても良かった。
最後の試合、娘さんにも見て欲しかったなぁ、とも思うけど奥さんが若い格好して恋人の頃のように応援する、子供がおったらそれは出来ないかなとも思うのであれでいいかも。勝って綺麗な恋人にキスされる。その方がボクサーとして格好いいかな。最高の夫婦。
負け犬の美学って邦題はちょっと?だけど、主人公の敗者の哲学?に触れるシーンはチャンプに「おれなら引退してる」と言われ「好きなんだ」って答えるシーンかな。
名声も贅沢も無縁の凡人の中で幸せになるには、続けられる好きなことを見つけること、それを楽しむこと。不平不満、妬み持ってるよりそっちのが勝ち。
最後に娘さんがピアノを弾くシーン、決して上手くないもしかしたら才能はないんだけど、超頑張った楽しんだ笑顔。しっかり受け継がれてる!
仕事に家庭に、ちょっと腐った時にまた見たくなる映画でした。
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