千里

負け犬の美学の千里のネタバレレビュー・内容・結末

負け犬の美学(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

劇場予告を観て面白そうだったので観賞。負け続きでたまに呼んでもらえる試合と、バイトで貧乏ながらも何とか家族を養う中年ボクサーが、大金を稼げるスパーリングの機会を通して、自分のボクサー人生は何だったのかに気づく物語。

題材に惹かれるものはあったし、物語の在り方としても好みなのだけど、結末が曖昧な感じで描かれてるところがスカッとはしなかった。勝った?と聞く娘に対して笑顔で答える主人公→娘がピアノを笑顔で弾いている=素直に勝ったという解釈で良いのか、あるいは最初は稼ぐ為だったけど、負け続きでも好きだから続けてきたという意味に気づく主人公の描き方+下手くそながらも楽しそうにピアノを弾く娘を観ると、勝ち負けが人生じゃないということは主人公からしっかり伝わってるみたいだし、やっぱり負けって解釈で良いのかな?題材的には後者な気がする。



上述したのは観賞後すぐの感想なのだけど、観終わってしばらく経つと、何より本作の核となる部分である "弱くても好きだから続けてきたことがあって、勝ち負け以上に好きなことを続けることこそが人生を豊かにするということ。またそれを理解して応援してくれる人や、そのことを伝えてあげたい人がいるということは凄く幸せなことなんだ" という部分が凄く心に残っていることに気づいたので、2018年の個人的年間ベスト10に入れさせていただいた。
千里

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