Tai

負け犬の美学のTaiのレビュー・感想・評価

負け犬の美学(2017年製作の映画)
3.9
リングに上がり続けるのは家族のため?自身のプライドのため?それとも…

試合に呼ばれることも減ってしまった落ち目の中年ボクサーがチャンピオンのスパーリング相手をするお話。
この主人公であるスティーブがまた微妙な男なんです!
頂点を目指す熱意は無く、ボクサーとしてのプライド的なものを感じさせず、まるで普通のサラリーマンが会社に出勤するようにジムへリングへと向かっていく。
本当に物語の主人公なのか?と思わせる、あまりにもモブな挑戦者を演じたのがマチュー・カソヴィッツ。
「アメリ」で主人公アメリと恋模様を演じた彼ですね。
あの飄々とした雰囲気が本作のスティーブという男のイメージにピッタリでした。

私はここ数年、趣味でマラソンをしていて、大会にもいくつか参加させてもらってます。東京マラソンにも出ましたよ!
そこで共に走る市民ランナーの方々というのは、別に1位を目指して走ってはいなくて、各々が違う目標を掲げています。
「4時間切ってゴールする」「前回より10分タイムを縮める」「一度も歩かず完走する」「ゴールまで辿り着く」
かくいう私自身もそんな大勢の中の1人で、トップを狙うなんて夢のまた夢です。
もちろんトップを狙い努力する人達は輝かしく、だからこそ、そう言った人物が映画でも物語になっていきます。
しかし、そうじゃない勝利条件もある。
この作品を観ていると、どんな競技の中にも必ずいる、そんな大勢の中の1人のことを的確に作品として落とし込んでいると感じました。

リングで負けだらけの男が求めた勝利条件とは?

さすがのフランス映画に色々と考えさせられましたが、1番惹かれたのはスティーブの娘役を演じたビリー・ブレインちゃん!
ちょっとポスター画像を見て頂きたい!
「人生を踊れ!」と書いてある文字の上で笑顔を見せている子ですね。
ボーイッシュな見た目なのに、喋って動くとまあ可愛い!
パパっ子具合がそりゃあもう可愛い!
ここぞという時に言う台詞が、こんなん言われたらパパ目から鼻血でるわ!くらいでした٩( ᐛ )و

あ、ちゃんと内容あってのスコアです(笑
Tai

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