ダメな自分を受け入れる勇気
主人公の行動が『美学』かどうかはさておき、良い邦題だと思います。負け犬、という表現に心惹かれます。原題は『スパーリング』。味も素っ気もなくそのまんま。
プロボクサーの底辺。勝てないまま年を取り、もう後がない中年ボクサーが、頂点の元チャンプ相手に、イチかバチかの賭けに出る…。
賭け自体は地味なのに、むしろリアリティがあり、見ている方は静かに緊張しっぱなし。
そして、勝てないパパに胸を痛める娘や、淡々と接する妻もまた、現実味がある。
理想通りでない自分をどう受け止め、前へ進むか?
一つの答えを教えてもらった気がします。