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負け犬の美学のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

負け犬の美学(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

峠をとうに越えている40代のボクサーが主人公。体調を気遣う妻からはあと1試合で引退すると約束させらていた。
ピアノを習う娘の授業料のため、タイトルマッチを控えた若きチャンピオンのスパーリングパートナーを務めることになるのだが、弱すぎて話にならないと初日にクビを宣告される。しかし、主人公はチャンプに直接かけあって、ボロボロになりながらもなんとか最終日まで仕事を続ける。そんな主人公にチャンプはタイトルマッチの前座の試合に出てみないかと持ちかけるのだが......という話。フランス映画。

往年のロッキーのようなスポコンもののフォーマットなのにそこはフランス映画、一風変わったテイストの作品となっている。
主人公は引退間際のボクサーで全く強さは感じない。妻と共稼ぎなこともあり食べていけないほど経済的に追い詰められてる風でもない。妻や娘、友人たちにも慕われていてダメ人間というわけでもない。それなのに何故か向いているとは思えないボクシングを続けている。そこにはボクシングと家族への愛情がうかがえて、引き込まれる話だった。娘には隠していたのに弱いことがバレてしまい、最後の試合に娘が来ないのは日本やアメリカ映画ではあり得ない展開(^^)。その代わり、妻の応援に鼓舞されて最終ラウンドにのぞむ主人公の姿には鳥肌がたった。パッケージは男の子かと思っていたが、娘の子役が可愛い。
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