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負け犬の美学のksのネタバレレビュー・内容・結末

負け犬の美学(2017年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

マチュー・カソヴィッツの主人公、負け犬というよりは【アンダードッグ(咬ませ犬)】
側から見れば淡々と、ひたすら好きなことを続けて、最後の舞台にのぞむ、派手さはないけど見終わった後じんと心に残る作品。

娘の通うピアノ教室の講師に「あの子は(才能を)持っているか?」と尋ねる父スティーブ。
講師からははっきり「イエス」と返ってこない。
才能と可能性はまったく別物と誰よりもよく知っているスティーブは娘に「才能あるって、先生が」と話す。
可能性を摘み取らないための先制パンチだったな、あれは。

よくある「夢に向かって一心不乱に突き進むパパとそれを応援する家族の感動ストーリー」的演出(スポ根賛歌的なやつ)は一切なくて、ドライな感触なのが素敵だった。
家族ドラマいいなって久しぶりに思った。

クライマックス手前でシベリウス(悲しきワルツ)流れてきたときは、いったい最終試合はどうなるんだ……?とぞわぞわしたよ。
あの曲マイナー調なんだもの。
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