【「ザ・トライブ」の戦慄再び】
2014年、一つのトラウマ映画がブンブンの心を鷲掴みにした。それは「ザ・トライブ」という作品。
全編手話、字幕なしという斬新な作風。そして、通常その手の作品は「感動泣ける」映画と相場が決まっているのだが、なんと「ザ・トライブ」は「怖すぎて泣ける」ギャングスタ映画だった。
あれから3年後、カザフスタンから「ザ・トライブ」の意志を継承した作品が出現した。その名も「スヴェタ」。
社員全員聾唖者の織物工場を舞台に繰り広げられる血みどろ抗争劇だ。
借金滞納で2週間後に家を奪われてしまう家族。そして、主人公スヴェタにさらなる試練が!なんと不況に伴いレイオフを社長から宣告されてしまうのだ。
あまりの理不尽さに、スヴェタはトチ狂い、同僚をレンガで殴り、また夫の婆ちゃんを毒殺しようとするど畜生っぷりを発揮!
夫に真顔で「あんたの婆ちゃん殺して良い?92歳って十分生きたよね!」と言い放つ。
くっ狂っている。
ドキュメンタリータッチなのもあり、とてつもなくヤバイものを観た気分になった。そして、スヴェタが愚行を犯す度にイヤーな問題が次々起こる手汗握る展開に、日本人からはあまり考えられないような結末と大満足な作品でした。
本作にグランプリをあげたい!
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