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僕の帰る場所のmmmのネタバレレビュー・内容・結末

僕の帰る場所(2017年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

子供の泣きっぷりも悪態つく姿も、どこか俯瞰的に親を見ている姿もとても自然でよかった。

日本での難民申請の通らない父のもと、日本で暮らしてきたカウン(兄)は、我慢の限界に達した母と弟と共にミャンマーにいくことに。
母と喧嘩した日、ミャンマーになじめないこおに苛立ちを募らせ、父の暮らす日本に帰りたいと嘆き、日本に帰ろうと空港への旅に乗り出す。
しかしその距離は実は短く、近場で日本語の話せる現地の子供と仲良くなり、その子供に促され、ミャンマーの自宅に戻ることになる。
ラストは現地で友人ができたことをきっかけに気持ちが前向きになったのか、弟も日本語の話せる幼稚園(保育園?)で楽しそうにしている姿を見送り、カウンも学校に向かうだろうとみせて、ミャンマーでの生活に馴染もうとするカウンの意気込みをさりげなくみせて、物語は終わる。

難民申請が通りにくい日本で、本作のモデルとなった家族が実際に存在し、国の事情に振り回されている子供たちがいることを示している。しかし社会派の映画を背景にすえながら、家族愛と現実を受け入れる子供の強さをみせている。

ゆったりとしたテンポながら、繊細な心情の変化を日常からみせる演出は、海辺の彼女たちにも通じる。
どうやってこれほど自然な子供の姿をとらえることができたのだろうか。
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