糸くず

ソウル・インの糸くずのレビュー・感想・評価

ソウル・イン(2017年製作の映画)
2.6
第30回東京国際映画祭にて。

映像美はあるが、「映像で語る」ということに無頓着で、ナレーションと台詞で物語が説明される味気のない映画。

家族を捨てて消えた母親が物語の重要な鍵となっているにもかかわらず、母親の消息が判明したことをナレーションで済ませ、しかも彼女がなぜ家族を捨てたのか、どんな人生を送ったのかを明らかにすることのないまま物語を進行する。主人公の青年があれこれ手を尽くしても見つからなかったのに、ヒロインがあっさりと見つけるのも謎。何を描きたいのかまったくわからない。

「魂は故郷に帰る」と信じている人たちよりも、「俺は故郷に帰らない、都会は楽しいし、何でも手に入る」と本音をぶちまける建設労働者のほうがよっぽどリアルに思えた。
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