TAMU

詩人の恋のTAMUのレビュー・感想・評価

詩人の恋(2017年製作の映画)
4.1
いや〜、ヤン・イクチュンに興味津々。
本作、2017年の東京国際映画祭上映作品。3年の月日を超えて、大阪でも見られることに。
どんな経緯があったか知らんが、ありがたい。

中年太りが目立ってきた、ろくに本業で稼げない詩人テッキ(ヤン・イクチュン)。妻はいるが四六時中詩を考えている。
そんなある日のクリスマス、彼がドーナツ屋店員の少年セユン(チョン・ガラム)に出会った時、恋の予感が訪れる。

原題は「詩人の愛」。確かに直訳してしまうと重い感じもあり、邦題に賛成ではあるが、これは本当の意味の愛の物語。

性別の組み合わせはなんであれ、心の底から相手を支えたい、守りたい、と思って取る行動は美しい。

ヤン・イクチュンがぼんやりで、小太りで、ドラえもんのように可愛く、男性同士のロマンスはちょい苦手な私も違和感なく受け入れられる。

ヤン・イクチュンと言うとどうしても『息もできない』の研ぎ澄まされたナイフのような表情が強烈すぎて同じ人とは思えない💦

そして、冒頭に記載の通り、本当はどんな人物なのか興味は募る。監督のインタビューを見たところ、監督は『息もできない』製作以前から彼と知り合いであり、穏やかな印象から本作にピッタリと感じたのだとか。
むしろ『息もできない』に見る役どころに驚いたのだとか。へぇー、である。

本作、詩人の奥さん(チョン・イェジン)も素晴らしい。自分が思う済州島の女性イメージ。口は悪いが、実直で根は優しい。
この夫婦の会話だけでも終始泣き笑い。

脇を固めるのはテッキの友人役に大好きなキム・ソンギュン。登場シーン、全ておもろいw
そして、本作にもキム・ジョンス先輩。
詩の同人会会長役だが、大して重要な役ではない。だからこそ、喜んで参加している気もする。バリバリな商業映画から、この手の静かな小規模映画まで手広く参加してくれて、ますます好きにw

そして舞台は済州島。美しい景色はもちろん、ゆったり流れる時の時間や人との温かい触れ合いが舞台にぴったり。『建築学概論』見てからずっと思っているのだが、いつかは行ってみたい!

キム・ヤンヒ監督は本作が長編初らしく、次回作も期待できる。女性監督の活躍がめざましくなってきた気がする。

そうそう。本作、入場者先着プレゼントがあり、よくあるのが韓国版のチラシかポストカードなのだが、本日頂いたのは「辛ラーメン」。どうした、俺のシネマートw
早速おいしく頂きました♡
TAMU

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