ゆうぴょん

詩人の恋のゆうぴょんのネタバレレビュー・内容・結末

詩人の恋(2017年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

胸糞映画だったと思う。
孤独な詩人とその妻、そして孤独な青年の話のように見えるけど、若者を搾取してるようにしか見えない。
劇中の青年は父親の介護をしていて、父性を求めていて、まだ社会経験も未熟な人のように見える。そんな彼の弱みに漬け込んで近づき、手なずけて、自分を必要な存在だと錯覚させるのは、何とも言い難い気持ち悪さがある。
しかも、妻の方も、気持ちはわかるけど、本人ではなくなぜか青年の方に当たり散らす始末。
周りの大人はみんなかなり子ども。そういう意味では、この青年がいちばんマトモな人間だと思う。

この青年が詩人を慕っていた感情って、恋情だったり、愛だったりじゃないよね。親とか親戚のおじさんに感じる情愛じゃなかったのか。実際、作中では、青年はいちども詩人に懸想したような発言してないし、そういう素振りを見せないし。
寂しい気持ちに漬け込んで好き勝手に自分の恋愛に付き合わせようとして、相手にものすごく気を遣わせたという、大人が若者を巧みに利用しようとしてる内容の映画のような気がした。
年の差は否定しないし、お互いが良いならばありだけど、自分がどういうつもりで関わっているのか、ちゃんと明かすべきだよな。とくに年上の方は。だっていくらでも若者に漬け込むことができるんだから。この青年も、まさか自分が詩人の恋愛対象だなんで、夢にも思わなかったろうし。
これ、最後は美談みたいになってるけど、すでにできてしまった絆をわかち難い青年が、詩人の気持ちを知っても、それにすがりつこうとするっていう、すごく残酷なラストじゃなかったのかな、という気がしてる。

ちゃんとした大人ってのはさ、相手の、とくに歳若い人の立場を考えて、歯を食いしばってでも自分の気持ちを我慢できる人だと思うんだ。
ゆうぴょん

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