フジタジュンコ

ヴィクラムとヴェーダのフジタジュンコのレビュー・感想・評価

ヴィクラムとヴェーダ(2017年製作の映画)
4.0
V・S・P!! V・S・P!!(DVDのアレ)

タミル映画らしい、熱量のあるハードボイルドなスリラー作品。面白くなるまでに40分くらいかかったので(コンディションもよくなかったのか、前半のヴィクラムパートは寝そうになった…)、「もしかしてハズレだったか…?」と不安になりましたが、VSPの背中が見えた瞬間から一気にテンションが上がりました。なんであんなかっこいいんだよ!!!! 若き日のヴェーダーもいいのですが、白髪の(作中では”現在”の)ヴェーダーがかっこよすぎてたぶん27回は私の心臓が止まってましたね。もう、タミルの至宝すぎるよ!!???

下敷きにはインドの説話集『屍鬼二十五話』があり、トリヴィクラマセーナ王と屍鬼ヴェーターラのエピソードをふまえて見ると理解しやすい構成になっていると思われます。善と悪、正しい答えと間違った答え、誰を選び、何を選ぶのか。ヴェーダーの”語り”の意味とは。これに重ね合わせると、ラストシーンの重みに鳥肌が立ちます。いや知らなくてもむちゃくちゃにカッコイイのですが…ストーリーがあの瞬間に凝縮されていて、「見てよかった」と思いました。エンディングロールのアートワークも素敵。

繰り返し「VSPかっこいい」しか書いてませんが、ポスタービジュアルも死ぬほどかっこいいので、Filmarksさん、サムネイル画像を登録してください…!