ロアー

ヴィクラムとヴェーダのロアーのレビュー・感想・評価

ヴィクラムとヴェーダ(2017年製作の映画)
4.6
リメイク版であるヒンディー語の「ヴィクラムとヴェーダー」を先に観ていて(何故なら推しのリティクが出てるから)、いつか絶対オリジナルのタミル語版も観たいと思っていたので、念願の〜...どころか、1日で両verとも観比べできたし、ヴィクラムとヴェーダ弁当(この日の上映のために、地元のインド料理屋さんが劇中に出てくるマトンカレーとパロタのお弁当を特別メニューで作ってくれたもの)まで食べることができた...最強では?

ヒンディー語版を観た時は全く気づかなかったけど、この映画って実はノワール映画だった。「インファナル・アフェア」みたいな趣きがあって、香港ノワールや韓国ノワールといったアジアン・ノワール好きな人ならきっとこれも好きなはず。

南インド映画が北インドでリメイクされるとハリウッド化(ボリウッド化)で派手になるので、まさに「インファナル・アフェア」が「ディパーテッド」になった感覚と同じだと思うんだけど、タミル語版は抑えた演出のおかげで脚本の秀逸さが際立っていて、ストーリー展開はもう全部分かっているはずなのに、それでも改めて脚本のすごさに関心して、話が進むにつれ興奮もクレッシェンドで「なんて面白い映画なんだ!」とゾクゾクした。これもう絶対2024年に観た映画TOP10にランク入り決定。

警官と犯罪者、追う者と追われる者、善と悪。
2人の道が交錯して物語が語られ、問いを重ねる度に、善と悪の境界線がどんどん曖昧になっていく。テーマ曲の歌詞も映画にぴったりで、その点では個人的に「RRR」の「♪Dosti」並の名曲だと思ってる。

セさん演じるヴェーダは犯罪者と言えど、どこか愛嬌もあって、サングラスを買ってはしゃいでるところとか、車の中で寝たふりしてるところとか、ボスとダンスしてるところとか、かわいさの羅列になってしまう。

ヴィクラムも、初夜の夫婦の様子にキュンとした。反面、仕事では本当に真面目一貫そうなところが良き。

じっくりとストーリーを味わいたいなら、やっぱりタミル語版かなぁ?と思ったけど、タミル語版もヒンディー語版も本当にそれぞれの良さがあって、やっぱりどっちも観るべき案件。すでにまたおかわりしたくて仕方ないので、是非ともDVD化の件よろしくお願いします。

ところで、ひとつだけ納得行かないんだけど、チャンドラは流石に調子に乗り過ぎでしょ!すごい度胸だなこの女...と思ってしまったww
あと同じシーンの「ムンバイではこれが普通」にちょっと笑った。
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