GT

怪怪怪怪物!のGTのネタバレレビュー・内容・結末

怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

 化け物が大暴れするサイコホラー!…ではない。人を食う化け物をとっ捕まえた高校生たちがその化け物を拷問したり実験したりするというイカれた映画だ。
 この化け物をとっ捕まえた高校生たちがマジもんのキ◯チガイで、主人公をいじめるシーンの胸糞悪さが霞むほど化け物に対して凄まじい拷問を加える。「お前を殺す方法なんて100万通りある」と言う通り、人を傷つけるということに対して一切の後ろめたさが存在しない、正真正銘のサイコパスだ。そもそも舞台となる学校からして終わっていて、どの生徒も真面目に授業を受ける気はなく、規律は完全に崩壊している。教師もそれに見て見ぬふりをし、担任のいけすかない感じの教師は問題を起こした生徒に対し、「両親がロクでもないからまともな教育を受けてない」などトンでもないことを言い始める始末。先のいじめっ子はそれに激怒し、化け物の血を飲ませて教師をぶち殺す。焼け死ぬ教師を見ながら全校生徒が大笑いしてスマホを撮るシーンは現代の皮肉ともとれそうだが、あまりに狂いすぎていて笑ってしまうしかない。
 不快感を溜めた後には、爽快なカタルシスが待っている。化け物の親(というか姉?)は子供(妹?)の捜索を開始。この化け物なかなか容赦がなく、目に入った人間を片っ端からぶっ殺していく。その化け物を始末しようと罠を仕掛ける主人公たち。だが主人公は、いじめられていた恨みから化け物を利用してそのいじめっ子たちを殺害。化け物に恨みはなかったものの化け物とは心を通わせることはできず、結局化け物二人も太陽の光で焼き殺してしまう。主要ないじめっ子たちが死んでも、学校の治安は変わらない。いじめっこたちと同じように化け物を虐待してしまい、自分もまた同じ穴の狢なのだ、そして「悪」は殺さないといけないと決意した主人公は、学校の飲み水に化け物の血を流し、自らも含めて生徒全員を始末する。結局生き残るのは同じようにいじめられていた太った女子生徒だけというかなり救いのない結末ではあるが、その後味は爽快で感動すら覚える。
 最後、主人公がピストルを撃つマネ(確かいじめっ子にされていたことだったはず)をしながら廊下を歩くシーンのかっこよさ。全体的に演出や美術が秀逸で、バスでの虐殺シーンの、明るい音楽を流しながら血がドバドバ流れるところなんか最強にぶち上がった。傑作。これ見てる方(ってネタバレしまくってるから観た人しか見てないと思うけど)、絶対に見てください。
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