Xavier

ハウス・オブ・トゥモローのXavierのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・トゥモロー(2017年製作の映画)
3.0
音楽・青春ものとばかり思ってました…
"未来館"を経営する祖母を手伝いながら
暮らすセバスチャンは、訪問客のジャレッドと友達になり、パンクロックを聞くことに。その音楽に衝撃を受けたセバスチャンは、ジャレッドにパンクを教わることになり、2人は"ラッシュ"というバンドを結成するが、ジャレッドは心臓に重い病気を抱えていた…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
冒頭にも書いたけど、青春&歌ものの作品とばかり思って観始めたんだけど、セバスチャンがあまりにも浮世離れしていている設定にはえっ!って思ってしまった。
多分、高校生ぐらいなのに、おばあちゃんの教育方針なのか、学校には通っていない。なので、友だちもいるわけがなく喋る相手はおばあちゃんのみのセバスチャン。そんな中、訪問客としてやって来たジャレッドと、ひょんなことから話をすることに…
ジャレッドが聞いている音楽が気になったセバスチャンが聞かしてもらうと、流れてきたのはパンクミュージック!
今までクラシックしか聞いた事がなかったセバスチャンは衝撃を受け、一瞬でパンクの虜になっていく…

セバスチャンにとっては刺激的なものだったんだろう。同年代の男の子と喋るのも初めてだったろうし、炭酸入りの飲み物を飲むのも初めてだっただろう(缶の開けかたも解らない感じだったし、一口飲んでビックリしたら感じに描かれていたしね)

そして子離れ、孫離れのことも描かれている。
ジャレッドの父親は、息子の心臓の病気を失敗するあまり、異常なほどの過保護
(ジャレッドを運ぶカッコがまるで、お姫様抱っこみたいだったしね)で、ジャレッドはパンクの演奏したいと願うのに
体の心配が先に出ちゃて、あらゆる事をことごとく許可しないんだよね。その事についてはジャレッドも不満を…

一方、セバスチャンのおばあちゃんはもっと酷いかなぁ。
セバスチャンを学校にも通わせず、自分の手元に置いて孫であるセバスチャンを自分の思い通りにコントロールしようとする。そんな事は気にならないセバスチャンだったが、ジャレッドと出会い自我が目覚めたセバスチャンは、おばあちゃんには内緒でジャレッドからパンクを教わり、またベースの弾き方を教えてもらったりする。その事で衝突した2人の間には隙間が…

まぁ、どちらとも心配のあまりって事は良く解るんだけど、行き過ぎかなぁ。
病気を扱った作品って、泣かせようとしがちなんだけど、そんな所があんまりない所には好感も持てるしね。

でもセバスチャンとジャレッドの姉ちゃんの病院でのシーンはほろっとしたなぁ

ジャレッドに対して何故意地悪をする?って問いかけるシーンで、それに対して姉ちゃんはこう答える

"意地悪を言い合うのが、昔からの私たちなの"
"私が急に優しくなったら、弟は不安になる"
"私は、私の役割を演じてるの"
"父は、弟を5歳児扱いする"
"母は一緒にいてくれない"
"せめて私ぐらい、普通に接してあげなくちゃ"

なんやかんや言っても姉弟なんだなぁ…
ここは良いシーンだった…

個人的には、エモくするかドライに淡々と描くかどちらかに振り切った方が良かったかなって思う。結構、さらっと観れてしまったからね。
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