Misaki

SUNNY 強い気持ち・強い愛のMisakiのレビュー・感想・評価

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
1.0
舞台版を観るので予習として鑑賞した。(最後に舞台版の感想追記)
以前観た韓国版と比較。

韓国版への愛などない監督が、
ミソジニックな自分の主観をぶちこみつつ、「なんか泣ける」かんじの作品にしました。ってかんじ。

(韓国版を観ずにこの日本版を初めに観てたら違った感想になったんだろうけど、
「わざわざ」変えた意図が気になりすぎてだめだった)

リメイク作にしてはオリジナル作品の解像度が低すぎて、
「ほんとに韓国版ちゃんと観た?」という感想に尽きる。
演出意図を理解してないとしか思えない改変が多すぎてやばかった。わざと?

そして醜悪な追加演出。
女(コギャル?)のこと嫌いすぎない?大丈夫?むかしコギャルに村でも焼かれた?
全体的に、監督が女性をうっすら嫌い&バカにしてるんだな〜というかんじが透けて見える改変としか思えなかった。

韓国版の作品のことが好きで、深く理解して愛して作ったリメイク、
ではなく、
・なんか女の子(美女と美少女)の青春もの
・懐かしいアイコンを散りばめてなんか「昔は良かった」ぽい演出
ていう感じで、コギャルと安室ちゃんでやったらウケるっしょ!
という感じしか受け取れなかった。
表層的すぎる。
別に表層でも泣ける話なのかもしれないが。

繰り返すけど、日本版だけ観てたらここまでの違和感なかったんだと思うんだけど。
わざわざ変える意図がなぞすぎて全然集中できなかった。

まあほんとに別の誰かの企画ありきでのリメイクだった説はあると思ってる。
監督に作品愛があったとは思えない。
まあ仕事だから愛はなくても仕方ないかもしれないけど、リメイクする以上ちゃんと原作読めよ、とは思う、、、、


フェミニズム、シスターフッドの映画としてではなく、
ただ有名女優と懐かし平成アイコン散りばめておけばええやろ、という乱暴な演出だな〜と思った。
逆によくここまで浅くできたな。深みが全くなかった。

最初の朝のシーンも、別に篠原涼子が生足出す必要なかったよね?!となり不愉快だった。
最初から嫌な予感はしていた。

そんなに女を嫌いならなんでこの映画リメイクしたん、、、、
これには男の視点が足りない!とか思ったのかな、、、、有害な男性性じゃん、、、、



・第一印象、全体的に、「な、なんでそこ変えるの、、、???」が多い。
時代とか国が違うから、ってとこじゃなくて
セリフを言う人とか、順番とか。
な、なんで、、、?が多い。

変えて良くなるならまだしも、なんかなにを意図しての変更なのか分からず、、、、、むしろ全部改悪では?が多かった。


・第一に、執拗に「男性目線の女性/女子高生」を追加セリフで入れてくるのが気になった。(主人公の夫、探偵)
それもかなりミソジニックな。
客体化された女、という視点いらなくない?
韓国版のテーマに全くなかったものを執拗に入れてるのがめちゃくちゃ気になった。
韓国版は徹底して「シスターフッド、フェミニズム」の視線が通底してたけど、
なんかそこがごそっと抜けてる、、、?


・あと、「性」に関する追加多くない?
実際、援助交際とかある程度はあったかもしれないけど、韓国版にはなかった要素なので引いてしまった。
性を売ること、そこまで一般的だったのか、、?
整形した子が豊胸手術になってるし。

自分がその頃まだ子供で90年代の女子高生のリアリティが分からないので、
その改変が「当時の日本のあるあるを取り入れたらこうなった」なのか、
改編者の主観が入ってるのか断定できなかったけど、
なんか全体的にヤなかんじが強かった。


あとなんか女の子たちの悩みとかの解像度が低い。
表現が薄っぺらくなってた気がする。


韓国
ダサくて、幼くて、かっこ悪かった〜
不良少女=暴力

日本
ケバくて、うるさくて、日本の中心だった〜
不良少女=治安が悪い(性の方面でも)

みたいな違い?


・1番納得いかなかった改変は、
主人公の「絵が上手い」「成績もいい」、「美大、画家を目指してた」という特徴が消えてたこと。

それがあるから未来への希望があって夢があって、DVDを観た時の目も眩むほどの眩しさだったのでは、、?
「きっとなんでもできる」と無邪気に信じていた自分たちを見て泣いていたのではないのか??
日本版はなにに泣いてたのかわからん上に、かなり表層的なノスタルジーで終わっていた気がする。
広瀬すずの人間としての複雑さが無になっていた、、、

あんないい演出をわざわざ改変してまでなんで薄っぺらくするのか謎だった。
なんで??


・あと、DJ目指してたイケメンのカフェで、イケメンの方が主人公に気づいてくれてた演出から、
イケメンは気づかずキョトンという演出も結構謎だった。
向こうが気づいてくれたから、「い、いまもかっこいい!」って感動したのに、、
なにを意図しての改変なのか謎だったな。


・韓国版は笑いパートと日常パートのメリハリあったけど、
こちらは特に「ここ笑いどころです!」ってのもなく、ただずっとハイテンション。

・懐かし映画としては、日本人には懐かしい記号が多いので、「あ〜流行ってたね〜やってたわ〜」の面白さは当然こちらのがある。

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以下舞台の感想。

韓国映画 80年代韓国

日本映画 90年代日本(コギャル)

舞台版 80年代日本(スケバン)

だったけど、
舞台版は韓国映画をベースに、使えるところは日本版のセリフを使いつつ、
いろんなとこの辻褄合わせをかなり丁寧にしてた印象。
日本映画版の「それは違うやろ」という点を一つ一つ拾って補修してた。

説明台詞が多すぎ&長すぎでは!
と思う一方、
いろんな矛盾点やツッコミどころを丁寧に丁寧に補修したんだな、というかんじ。

画家設定も戻ってたし、
韓国映画:日本映画:オリジナル要素=6:1:3
くらいのハイブリッドな印象。

男性からの不躾な目線もほぼゼロでよかった。
セーラー服を脱がさないでとか使われてなくてほんとによかった。

選曲も場面に合った歌詞だったしよかった🙆‍♀️
Misaki

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