テツオ

SUNNY 強い気持ち・強い愛のテツオのレビュー・感想・評価

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
4.1
ただの懐メロ90’sリバイバルでは無く、青春映画の皮を被ったノスタルジー・ドラッグ・ディール映画(ノスタルジーは危険ドラッグだと身をもって気付かせてくれる映画の事※私のオリジナル造語)だと解釈しました。
現実に打ちのめされて弱っている3〜40代が軽い気持ちで見てしまうとこちらの意思に関係なく、映画製作の名を借りたドラッグディーラー達が「キラキラ美化したあの頃映像と音楽」という恐ろしい快楽物質を記憶中枢と緩んだ涙腺に直接注入してくるのだからタチが悪い。
明らかにこちらに喰らわせようとする意図を感じたけど、分かっていつつも開始数分で涙でずぶ濡れてしまった。

板谷由夏→山本舞香の配役が素晴らしかった。
ともさかりえの怪演も凄いし観る価値あると思ったけど、キラキラ美化ノスタルジーに浸ってる時にあの鉛色の鉄臭い現実見せられるのは正直辛かった。そしてそれは小野花梨のブチ切れヤク中演技にも感じた。

きっとそれは監督(ドラッグディーラーの元締め)からの「現実をみろ!」という熱いメッセージであると感じた反面。
「お前らがノスタルジーの快楽に安易に浸る限り、これからもノスタルジードラッグをディールしてやっからよ!」

という中毒客と売人という主従関係を見せられた様な気がして

恐っ

と思った。
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