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リズと青い鳥のRYOのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
4.7
『一生モノの余韻を刻まれるくらいの圧倒的表現力。』


『響け!ユーフォニアム』のスピンオフ作品。
一応今作単体でも楽しめますが、『響け!ユーフォニアム』を鑑賞後だとより楽しめると思います。今作はもちろん、アニメ本編も青春部活系の中に様々な人間ドラマを描いたとても面白い作品なのでお勧めです。

以前から気になっていた今作ですが、評判通りの素晴らしい作品でした。
作画はもちろん、演出、構図、空気感など表現力に関してはさすがの京都アニメーションさんで、アニメーションの表現の全てがハイレベルです。
"学校"、更に言えば部室や教室という比較的小さな規模での物語なのに、洗練された表現技術と音楽の素晴らしさも相まって、物語以上にとても広大で、圧倒的に感じました。

また声優さんの演技力も素晴らしくて、特に鎧塚みぞれ役の種崎敦美さんの演技の幅はすごいなと感激しました。台詞の一つ一つがその言葉以上に意味を持っているように感じます。

個人的に"対比フェチ"なので、鎧塚みぞれと傘木希美という対象的に見える二人の描き方はたまりませんでしたね〜!

ただ、女子高生二人の関係性を丁寧に描いた物語であって、ドラマを起こす外部要因や大きな波がある訳ではないので、映画単体でのストーリー性や大きな何かを求める人には物足りないのかな、と思います。逆に感情の機微や学校での何気ないワンカット、ワンシーンなどに胸を熱くするタイプの人にはお勧めできる作品だと思います。

私にとっては、アニメーション映画の中で一番大好きな作品になりました。

ちなみに百合人気もとても高い作品なので、未視聴の百合好きさんには『響け!ユーフォニアム』と合わせて特にお勧めしたい作品です♪


ストーリー4.5
登場人物5
台詞/言葉4.5
演出5
テンポ4.5
音楽5

合計28.5/30
平均4.75
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