さわの

リズと青い鳥のさわののネタバレレビュー・内容・結末

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

シネマシティaスタ極上音響上映。
生涯で魂に響いた一作に入れてるのでそりゃあ観に行きますよってなものです。何が良いって全部良いんだけど、アニメっていう人が絵を紙に描いて色塗って撮影して動かす画でこんなにも透明感出せるの?って初見の衝撃があって、その透明度がお話と関係性と感情とお芝居と音楽とすべてに行き渡っているのが好き。カメラ越しにガラス越しにみぞ先輩とのぞ先輩を覗いているような、リズと青い鳥を覗いているような、みぞれと希望の目線で揺れる髪を相手の瞳を自分の手足を教室を学校を空を見ているような、そんなものをお出しされたら、ねえ?ってなものです。
聞き間違いじゃなかったら足音とシンクロしたりしなかったりしている劇伴の繊細なことよ。
あと揺れる、髪がスカートが瞳が足が指先が唇がカメラが1cm、1mm揺れるとかそういう繊細なニュアンスで描かれちゃう。アングルがレイアウトが意思を持ってるのがグイグイくるので息を止めてみちゃうんですよ。フレームの外にいるのか中にいるのか、画面の真ん中にいるのか左下にいるのか、ここでフレームから外れる意思、表情を見せるか見せないか、ここで足が語るか、みたいなのがグイグイくる緊張感と、またそこに声が乗るんだけどちょっとの震え、逡巡、迷い、感情がすごいのよね。そりゃあ、ねえ?ってなものです(2回目)。
触れたら壊れそうな、って表現を映画に思ったのでそりゃあ魂に響いた一作ですよ。
ネタバレだけどdis jointの文字の最後でうえええって泣いた。
なんと部活ものなのに本番がないんですよねこのお話。練習でみぞ先輩がすごくなった(泣いた)ところが演奏としてはハイライトであくまでもみぞ先輩とのぞ先輩の感情を追いかけてるという、だからカメラで覗いているようなと思うのだし映画ってそういうものだものね……などとも思ったりします。感触としては岩井俊二の四月物語を思い出したけどフルートの光がみぞ先輩に当たってるシーンがあるからかもしれない。ていうか後輩ちゃんたちいいよね…。
今日気づいたけど絵本パート、世界名作劇場の如くフラットな画づくりでフレアとかグラデーションが月と太陽の光くらいなの、学校パートのレンズ表現との対比かコレ……ってなった。全部が全部良いのでもう年イチでaスタでやってほしい……観るから……。
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