ヤフー映画難民

リズと青い鳥のヤフー映画難民のレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
4.3
前の劇場版2作(総集編)で、高校生なのに恋愛(性欲)がほとんど描かれていないことに違和感を感じていたが、この『リズと青い鳥』でそういった面がこのシリーズに合う形で描かれていたのでかなり満足。

やはり青春時代、いくら部活に打ち込んでいるといっても、それ以外にも絶対関心ごとはあるはずである。

作中に童話を提示することで、この映画の流れを暗示させる形を取っているのでストーリーの軸が分かりやすく、1つの作品としてしっかり完結させようという意思が感じられてかなり高評価。
総集編(TVシリーズ)は出来事を順に見せられている感じでストーリー構成としての工夫があまりなく、いまいち引き込まれなかったので、この辺りのカバーをしてくれたのは嬉しい。

作品としてはアニメーションではあるが、詩的な印象を受ける。
キャラクターデザインは繊細な感じになっていて、TVシリーズよりこっちの方が好き。
ただ首が長く、ろくろ首に片足突っ込んでいるようには見える。
あと全員が9頭身くらいあるすごいスタイル。

本田望結は棒読み気味なので歓迎はできず。

全体的に淡々とした静かな作品で、映画としてのホームラン級の何かだけは足りないように感じたが、この作風・雰囲気はとても好き。

同じ原作からこんなに違うテイストの作品を生み出してくれた監督に感謝。
個性・作家性を持っている監督はずっと応援していきたい。