Ryohei

リズと青い鳥のRyoheiのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
4.2
「スポ根」から「少女」の物語へ。

ユーフォニアム1期2期から連続で見たら、まーったく違う世界観に一新されててびっくり!

繊細なキャラデザといい台詞まわしといい、まるで実写化やな。

リズと青い鳥を2人に当てはめる脚本も秀逸。

高校生で考える将来の進路のこと、大切な友達との未来のこと。
友達が好きでそれが恋愛かもと思うこと。

複雑な感情だからこそ、こういう繊細な絵柄に変更したのはとてもいいと思った。


原作の武田先生の文章を読んで、清々しい空気感と埃っぽさ、両方のイメージが湧き上がってきたという山田監督。

山田監督 彼女たちの尊厳を守りたいというか、彼女たちにぐいぐいカメラを向けないように気を使いました。椅子だったり机だったり、2人に気づかれないような場所からの映し方を意識しています。

だから、こんな2人の秘密事を覗き見してるみたいな感覚になれるのね。


この2人の視点で見る、おーまえちゃんがモブ感MAXでおもろい。
たぶんこの作品だけ見た人は彼女が主役の物語があるとは思わんやろな。笑

ただ、のぞみたちのパートを吹く、麗奈とおーまえちゃんの部分はとても好き。
「強気なリズって感じ。じゃあ元気でなって感じ。楽しそう。」


みぞれだけがのぞみを追いかけ続けてたのかと思ってたけど、のぞみもみぞれを尊敬して憧れてたんだな。

この2人の関係は実力社会の吹奏楽部の部員ってだけじゃないんだ。
のぞみが声かけてくれてなきゃ、みぞれはずっと1人だったんだもんね。
のぞみはそれを覚えてないというけども。
こういう存在は人生において地位や名誉よりも大切。

でも、2人がいう『好き』は、お互いに異なっていて交わってないようにも思う。

武田 私は正直、人間関係って、噛み合っても噛み合わなくてもいいと思って小説を書いているんです。だから、みぞれと希美に対しても、噛み合わなくても本人たちが幸せならそれでいいと思っています。

山田 人間、話してることが完全に伝わってることって、なかなかない気がします。

武田 そうなんですよ。わかり合えなくても一緒にいられる関係性、というのは大切だと思います。



ゆっくりと息を吸う。
そして2人で羽ばたくんだ🕊️🕊️
青い鳥ではなく白い同じ姿の鳥となって

赤と青のインクはゆっくりと混ざって紫に。
2人のこころはゆっくりと溶け合っていく。


台詞も、TVシリーズでは一言でそのキャラクターのことがわかるようなセリフを用意することが多かったのに対して、『リズと青い鳥』では、ひとつのセリフを90分かけて言ってもらうような密度。
90分かけて、やっと2人の女の子のことがわかるというような引き伸ばし方をしているという。

そんな難しい役をこなせる声優さんすげーなーって思ってたら、またしても種﨑敦美!
ほんまにやばいなこの人。
声の表現の幅が半端ないって。
天才やわ👏
Ryohei

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