しかC

リズと青い鳥のしかCのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
3.7
TVシリーズからキャラクターデザインが大幅に変わっていて、あのTV版の絵がわりと苦手な自分は「もっと目を小さくして体つきを強調したりしないデザインにしてくれたら見やすいのにな…」と思いながら観ていたのですが、この映画で本当にそういうデザインにしてくれたという感動があった。絵柄がストレス無く観れるというのは本当にありがたい。

* * *

繊細な仕草を表現するアニメーションの凄さ、青と赤の使い方や〝サイダーの瓶を底から覗いたような〟画の作り方、「対比」や「反転」やデカルコマニーを用いた「左右対称性」などの要素…… あらゆる部分が精緻に作られていて感心する。

一方で、時おり挿入される童話パートが長くて退屈に感じてしまった。
明らかに宮崎駿的、あるいは高畑勲的、要するに「世界名作劇場」的な雰囲気で描かれているが、ぱっと見の雰囲気は確かにそうだとわかるものの、これが観ていてぜんぜん面白くない。高畑勲の演出や宮崎駿の作画・レイアウトがどれほどすごいものだったのかというのがこれを観るとよくわかる。

結果的に、童話パートは劇場版の尺にするために無理やり引き伸ばされた時間かせぎのパートという印象が強くなってしまった。ここがもっと興味を引くクオリティであればとてつもない名作になっていたと思う。
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