LalaーMukuーMerry

リズと青い鳥のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
4.3
人は、誰かとつながってないと生きてゆけない、けれど結局は個人である。
いいえその逆、個人ではあるが、だれかとつながってないと生きてゆけない??
          *
おそらくはどちらも正しい。どっちに重きをおくかというだけ。
          *
互いに相手を尊重する人間関係はとても大切だけど、これが意外と難しい。必要以上に相手に依存してしまったり、必要以上に相手を束縛したり・・・
(ちょっと度を越していてもその関係性が気にならなくなると、虐待、いじめ、ヘイトはすぐ隣に潜んでいるような気がする。もちろんこのお話はピュアなこころの持ち主が主人公だから、そんな風には進まない)
          *
高3の吹奏楽部の女子高生、仲良しの二人(のぞみ と みぞれ)の音楽の才能と進路をめぐるお話し。卒業すれば別々の人生を歩み始めることになるかもしれない。進路をきっかけに、当たり前のものとそれぞれが信じていた友達関係に波風がたつ。けれど、それぞれが二人の関係を見つめ直し、自分と相手を認め合って、ほんの少し成長するというお話。と私は受け止めました。
          *
抽象的に言葉で書いてもなかなか伝わらないが、「リズと青い鳥」という童話によるメタファーや、フルートとオーボエ二人のソロパートでのかけ合いなど、わかりやすいエピソードで、二人の心の揺れ動くさまを本当に繊細に描いたお話で、アニメでここまでできるんだと感心しました。音楽、BGMもとてもよかった。
          *
今年7月の痛ましい事件でその名を知った京都アニメーション。私は「聲の形」に続いて2作目だけど、良かったからもっと観ることにしよう。