TaiRa

イッツ・インポッシブル・トゥ・ラーン・トゥ・プラウ・バイ・リーディング・ブックスのTaiRaのレビュー・感想・評価

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20代の頃のリンクレイターがスーパー8ミリで撮った初の長編作品。次作『スラッカー』がかなり洗練された映画に思える。

テキサスに住む青年がミズーリに住む友人の元へ列車に乗って会いに行き、そして帰って来る。劇中で起こるのはそれだけ。フィックスのフルからロングで撮られた映像がほとんどで人の顔もよく分からない。少しの会話とテレビやラジオの音、駅や電車内の放送、留守電などが聞こえるだけで音楽もない。生活の中の声を引用して来る感覚。今作には、リンクレイター作品で頻繁に名前が出て来るケルアックの『路上』の影響もあるだろう。タイトルは「本を読むだけでは土は耕せない」という事で、つまりは「書を捨てよ町へ出よう」か。確かリンクレイターも放浪していたと思う。『恋人までの距離』なんかはその時の経験から出来てる。今作でも旅先で知り合った子とその場限りの友情を育むみたいな画があった。あとはジャームッシュみたいな人が出て来た事も大きかったのだろう。ミニマルな作風も近い。ただミニマルにも程があるので、かなり眠くなる。ていうかちょっと寝た。

モンテ・ヘルマンが今作を褒めた事で『スラッカー』の製作にも繋がったとかで、ヘルマンはタランティーノとかリンクレイターとか色んな人に恩を売ってるな、と。
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