チェリビダッケ

あさがおと加瀬さん。のチェリビダッケのレビュー・感想・評価

あさがおと加瀬さん。(2017年製作の映画)
2.7
土曜の昼下がり。タダでさえ眠くて仕方のないところに退屈な立ち上がりを見せられどうなることかと思ったが、やがて物語はみずみずしい青春の躍動感を帯びていき、割とすんなり感情移入することができた。

予備知識がほとんど無かったため、山田さんのアタマに葉っぱが生えた時はその意味が分からず、山田さんは植物が擬人化したクリーチャーの一種か何かか?などと一時ジャンルの垣根を飛び越え思考が彷徨う場面もあった。

加瀬さんについては性格描写なのは百も承知だけど苺ショートを素手で食す人はヤだなと。さらに言うと部屋の中にダンベルを転がしてるような子がレモングラスの匂い付きの制汗スプレーなんて使ったりはしまい。きっと。

陸上部のスターなのに走りのシーンはなし。むしろ走りだしたのは山田さんの方だった。それがそのままクライマックス。はじめに惚れたのは加瀬さんの方だったかもしれないがより惚れてしまったのは山田さんだったということだ。

こうなるともうどうしようもない。頑張れ山田さん!地元の大学を受験する?ノンノンそこは東京の大学でしょ!期待して応援したらその通りになる。発車間際の新幹線に飛び乗るとかあまりにもストレートな表現で赤面したが期待を裏切らなかった山田さんに心からの拍手を送りたいと思う。

それだけでもこの映画を観た甲斐はあった。