紅蓮亭血飛沫

あさがおと加瀬さん。の紅蓮亭血飛沫のネタバレレビュー・内容・結末

あさがおと加瀬さん。(2017年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

甘酸っぱい空気を重視したあっという間の一時間でした。

このような恋愛作品は、主人公が憧れの人とどのようにしてくっつくか、といった点が見ものとしてよく展開されます。
ストーリーを追うごとに、二人が知り合いから恋人へと変わっていくラブストーリー…がこの手のラブコメは王道なイメージがあります。

しかし本作は本編アバンの時点で二人が付き合い始めたという事を知らされ、更に主人公の山田も、恋人の加瀬もお互いに恋愛事には不慣れ。
付き合っているからと言って必要以上にがっついたりしていいのかどうかと悩む加瀬と、今の関係だけで幸せな山田という対比が面白いです。
本編が進むごとに二人の関係も少しずつ変化していきますが、少々気まずい雰囲気になっても数分後には心境を暴露したりとノンストレス状態のまま、あっという間に1時間が過ぎてしまいました。
私としてはドロドロとした恋愛関係や物語がどちらと言えば好きな方なのですが、本作のように全編に至って穏やかな時間が流れる作風も嫌いではないです。
主人公二人がメインでそれ以外の要素は極力削いでいるというのもあり、視聴者はずっと二人の関係や物語に集中できる、そのため本作の醍醐味を終始楽しめるのではないかと。

見終えた後のエンドロールと共に流れる“主題歌・明日への扉”のカバーもいい味を出していましたね。
あいのりを見てた当時の感覚がちょっと蘇ったようで。
変哲もない王道ストーリーと言えばそれまでかもしれませんが、手を繋ぎながら少しずつ歩んでいく不器用な二人を軸に展開していくラブコメは、何だかんだでとても癒されました。