Jaya

鍵のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

(1959年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

鑑定家の年寄り剣持が娘婿の木村と妻の郁子を不倫させて楽しむお話。敏子がえらいブス呼ばわりされてましたが。「老衰と闘った」ようにも見えず。

陰影の際立つ撮影が気持ち悪さをより際立てるよう。逢い引き茶屋からの汽車ポッポに連結ガッシャンはさすがに直球過ぎて笑えましたが。終盤のいきなり霊柩車3台も笑ってしまいました。

歪んだ嗜好が入り雑じる表現。「きみ、手の指の股を拭いてくれ!」がまた笑えました。剣持の狒々親父っぷりも見事でした。下衆とまでは見えないギリギリのところは、演技の力でしょうか。

郁子の剣持への感情の深いところは決して見せない。もしや木村との関係が剣持の妄想なのかと訝しませ、鍵からのキスシーンは凄い。更に「死んだ…!」の郁子の表情は鳥肌ものでした。

最後はすっとぼけたばあやの代理復讐。その前の木村の吐露は何ともあけすけで嫌らしい。郁子一人だけバキバキ眉毛だったのは演出なのだろうか…。

インパクト抜群の映像で、変態どもの話とは突き離せない絶妙なラインを突かれたような不思議な名作でした。
Jaya

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