河

悪太郎の河のレビュー・感想・評価

悪太郎(1921年製作の映画)
3.2
バスター・キートンが現れて、監督としてのバスター・キートンによって起こされた偶然によって何らかの状況に巻き込まれる。アクションは基本的に逃走、状況の悪化に繋がるだけで、登場人物としてのバスター・キートンによる映画的な現実の操作によってのみ状況が解決するという構造は、他の初期短編と共通する。この短編において、その映画的な現実の操作は、エレベーターの階数表示を操作すればエレベーターがそれに従って動くという逆転にある。登場人物としてのバスター・キートンは劇中でそれが可能であることに気づき、最終的にそれを使いこなすことで追手を吹き飛ばす。この短編は、登場人物としてのバスター・キートンが監督としてのバスター・キートンから、この映画の主導権を奪う物語として見ることもできる。
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