ごろちん

バナナ・パラダイスのごろちんのレビュー・感想・評価

バナナ・パラダイス(1989年製作の映画)
3.8
日本でワン・トン監督作品が劇場初公開ということもあり、今年の《台湾巨匠傑作選》でイチオシされていた本作。鮮やかな黄色と緑のポスターが魅力的。

国共内戦が激化する最中、台湾にはバナナという見たことも食したこともない憧れの果物がたわわに実っていると聞き、戦火から逃れるかのように台湾へ渡ったメンシュアンとダーション。そんな彼らの波乱万丈な半生。

とにかく熱量のある映画だった。戦後混乱を極めた台湾の歩みとともに、この地で生き抜くためにはどんな手段をも厭わない、という登場人物たちの強い意志と生命力がスクリーンから溢れ出て来て終始惹きつけられた。そのあたりは『アンダーグラウンド』に少し似ていたような気も。

登場人物もキャラが立っていて、とくに兄貴分のダーションがティモンディの高岸ばりにテンションが高くて、もう後半は高岸にしか見えず。

そしてそんなバナナ!(たぶん観た人の8割が頭に浮かんだ駄洒落だと思うけど、ここに書くのは恥ずかしくて止めたはず)な終盤の展開は必見。
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