真世紀

マスカレード・ホテルの真世紀のレビュー・感想・評価

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
3.9
三件の殺人現場に残された数字の羅列。その暗号は次の殺人現場を示唆するものだった。四件目の現場と目されるのはホテル。警察はホテルへの潜入捜査を決行。暗号を解いたキムタクの刑事が配属されたのはホテルのフロント。教育係のスタッフ、勤めるホテルに思い入れある長澤まさみとバディを組まされ、警備にあたる。キムタク、懐手、ひげ、鋭い目付き、渡部篤郎上司の命令も素直には聞かず、気に入らなければ周囲のパイプ椅子蹴り上げて見せてもがデフォルトの刑事。「お客様」第一、なんでホテルの常連客でグレードも高い自分が精算のために列に並んで待たされるんだと宣う笹野高史、普通なら順番待ちすっ飛ばせというクレームでもお客様がルールてな受け入れをするホテルマンが務まるか。

キムタク、長澤まさみ、互いに様々な場面で相反するはみ出し刑事魂とホテルマンスピリッツをぶつけ合いつつ、一目置くようになり、ことにあたる。

前回宿泊時に一着数万円のバスローブをがめて要注意扱いになっている高嶋政宏、女性客からのこの男を近付けないでと写真付きでホテルスタッフにストーカー警戒される宇梶剛士、挙式間近の前田敦子、なぜかキムタクにやたら挑発的な態度を取り続ける生瀬勝久などの客も多彩。色んなエピソードや背景をもった人物を放り込める「グランドホテル形式」の卓越さを改めて感じさせますな(それこそ、本作には自称霊感ありな客による言及除いてない要素だけど、「シャイニング」みたいに幽霊あるいはゾンビまでも放り込める)。わかりやすい布石の打ち方やら圏外に置いてからの真犯人及びそのキャストなど、思いの外、期待値以上に楽しめました。

そして、長澤まさみさんが仮面舞踏会姿を披露しちゃったりする事件解決後のパート、二作目「マスカレード・ナイト」へのヤル気満々過ぎて吹いた。
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