EDDIE

マスカレード・ホテルのEDDIEのネタバレレビュー・内容・結末

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

東野圭吾原作のミステリーを木村拓哉主演で映画化。
主役の新田浩介はキムタクが適役と感じるぐらい合っていたし、その相方のホテルマン山岸尚美を演じる長澤まさみも芯の通った役柄を見事こなしていました。
原作を読んだ上で鑑賞したのですが、十分に楽しめました!

都内で起こった連続殺人事件との関連性、残された暗号から次の事件の舞台はホテルコルテシア東京だと判明。
警察は潜入捜査をし、ホテルマンやベルボーイに扮するというわけですね。
この映画の最大の魅力は、新田と山岸の掛け合い。小日向文世演じる所轄の刑事・能勢と新田の関係性もいいです。
最初は水と油のようにまったく気が合わない新田と山岸。それでもたくさんの「お客様」と対峙していくごとにそれぞれ信頼感を増していきます。

ただまぁ警察である新田が一般市民である山岸に、いくら信頼してるといえ機密情報をペラペラ喋りすぎなのは如何なものかと思いましたが…。ここ原作なら頑なに「言えません」という姿勢を貫きながら、事件を解決するには山岸に協力してもらわなければと葛藤を上手く描いた上で話す描写があるだけに、さすがに2時間程度の映画でこの心理描写までは描けなかったか?
あとはミステリーとしてのハラハラドキドキ感はあまり味わえなかったというのが本心ですが、それを補い余るほどの豪華俳優陣の熱演が光ります。

キムタクはやっぱキムタクだなと思いつつも、やっぱりかっこいいんですよ。文句言えないです。ホント言い出すと長くなるんですけどね、もう開始から濱田岳くん出てきて、部屋変えろのクレーマー演じてるし、菜々緒がこの男が来たら私に近づけないでって迫ってくるわ、宇梶さんとかもう離婚届出された後のあのキョトンとした顔ですよ。
で、山岸が新田に一目置くきっかけになるクレーマー2人がいて、1人は高嶋お兄ちゃん。2万円するバスローブを盗んだとホテル側に疑われ、「はーい、ありませんでしたー、この落とし前どうつけてくれんの?」ってやろうとしたら、新田があれは演技だと見抜き、そのまま帰してしまう瞬間のしてやられた表情。たまらないですね。
もう1人はひたすら新田に文句言いまくるクレーマーを演じたのが生瀬勝久さん。これ原作のイメージだとですね、中年ぽっちゃりな薄らハゲなんですけど、生瀬さんさすがにシュッとしすぎ!って思ったんですけど、そんな心配もどこ吹く風。最終的にはここで新田はホテルマンとして認められ、生瀬さんの泣きの演技にちょっぴり涙腺やられましたよ。
橋本マナミは相変わらず妖艶で綺麗だったし、ホテルで挙式を挙げる花嫁役の前田敦子に近づく怪しい男をなんと夫の勝地涼が演じるという笑いを誘う演出もありで、とにかく俳優陣見るだけで眼福でしたよ、これ。
あとは松たか子ですね。はい、凄いですよ。「来る」でも最強の霊媒師演じてましたけど、引き続きこういう役やるかーと!もうネタバレなので、言っちゃいますけどね、HEROでキムタクと検事と検察事務官というコンビであり恋仲を演じた2人の関係性がありながら、最後キムタクが松たか子を逮捕するんですよ。こんな映画観れると誰が予想したでしょう?かつての出演歴を知った上で観ると、もう唸るしかないです。
とまぁこの手の映画で三谷作品にも匹敵するぐらいの登場人物の多さでしたけど、上手くまとめたと思います。あと、石川恋ちゃん可愛かった。

エンドクレジットで明石家さんま友情出演を初めて知ったんですけど、まったく気付きませんでした(笑)かなり地味な場面で出てたんだと思いますが、あの喋りたがりのさんまちゃんがよく我慢しましたね。
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