うたまるさん

マスカレード・ホテルのうたまるさんのレビュー・感想・評価

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
3.8
満足できるミステリーですよ。

原作者の東野圭吾氏がキムタクを主役に考えて書き上げたミステリーを木村拓哉主演で作り上げた作品。
キムタク主演の作品は全てキムタクがキムタクのままと言われている圧倒的な個性と新参者シリーズの東野圭吾がどう活かしていくのかな⁇と思って観てみました。
その中身は…というと、あくまでも私の感想ですが、両者の融合がうまくいった作品ですね。

あまり褒めすぎて興醒めさせてしまってはいけませんから「う〜ん…」な所から言うと、序盤の連続殺人事件の説明っぽいくだりはほとんど頭に入ってきません。
2度、3度と観ればスーッと入ってくるでしょうが、初見だとどんな事件なんだろうワクワクみたいな感じではなく、淡々とどんな事件かを説明していくので、少し分かりにくい感じがしました。

ところが、面白くなってくるのはそのだいぶ先になりますが、キムタクと長澤まさみのホテルマンとしての掛け合いのあたりからグイグイ引き込まれていきます。
もちろん、他のキャストも豪華な顔触れですから目を惹きますが、やはり木村vs長澤のやり取りは単純に面白いですね。
やはり、キムタクは彼を支える女優さんあってこそ生きてきますからね。

様々なエピソードを盛り込みながら、またそれを伏線と匂わせながら進めるあたりは脚本の面白さが光りますね。
その辺りからようやく序盤の「う〜ん…」が解消されてきますので、もしも序盤に私と同じように分かりにくいと感じてしまっても取り返すことができますので、ご安心ください。

そして、ストーリーは佳境に。なるほど…そんな展開なのか…と、しっかりミステリーを楽しませながらエピローグへ。
他の方の感想にもありますが、最後の10分はいかがなものか、と思われるのも致し方ないと思いますが、やはり最後は親切な終わり方にし過ぎてしまいましたね。
私からみてもラストのエピローグは観ている観客に想像させる展開でも良かったのでは⁉︎と思いますが、きっと制作側の思惑もあったのでしょうね。監督は納得しながらこのエンディングにしたのかな?とちょっとだけ迷ってしまうところがありますが、作品自体は全体的に面白いミステリーに仕上がっています。

まだご覧になられていない方は、頑張っている長澤まさみちゃんを観るだけでも必見の価値ありです(←えこひいきか(笑))
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