無名のひと

レプリカズの無名のひとのネタバレレビュー・内容・結末

レプリカズ(2018年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

ウィリアムは、バイオナイン産業の研究所で、人間の脳を機械人間に移し替える研究をしている。
死亡して24時間以内の兵士の遺体から神経情報を取り出し、機械人間にインプリントすることに成功するも、兵士は自らの機械の体を認識できずに暴走し、実験は失敗に終わった。
ジョーンズはウィリアムに、次の実験が成功しなければ研究所の閉鎖を示唆する。
妻のモナは、倫理的観点からウィリアムの行っている実験には難色を示していた。
休暇は家族旅行をして過ごすべく、妻子を乗せた車を走らせるウィリアム。
しかし途中で事故に遭い、ウィリアムは自分以外の家族を亡くしてしまう。
同僚のエドに実験機材を持ってくるよう頼んだウィリアムは、妻子の神経情報を入手して、クローンにインプリントすることを決意する。
地下室に実験機材を設置するが、クローンのポッドが3つしかない。
ウィリアムは断腸の思いで末の娘ゾーイを諦め、妻子の神経情報の中からゾーイの記憶を抹消する。
出勤しないままクローン生成にかかりきりだったウィリアムは、エドに呼ばれてようやく出勤。
大忙しで滞っていた業務をこなした。
帰宅後は、学校や妻の職場に連絡をしたり、友人たちにしばらく会えないことなどをメールする。
数日が経過するが、インプリントで問題が発生する可能性を取り去れない。
エドから、一刻も早くインプリントしなくては、ポッドの中で体が急速に老化してしまうと指摘される。
それならばと妻子の体をポッドから出し、インプリントの問題が解決するまで昏睡状態にすることにした。
インプリントの問題が解決しないままさらに数日が経過し、計画を諦めなくてはならないかと思われた時、モナの手に触れると脳波に反応があった。
これまでの実験が失敗に終わっていたのは、機械の体が原因だったのだ。
ウィリアムは早速モナにインプリントを実行する。
モナは目を覚まし、神経情報も無事に定着させることに成功。
子どもたちにも無事インプリントを施し、一旦眠らせている間に家中を片付ける。
写真や絵など、涙ながらにゾーイのいた形跡を消していくしかなかった。
目覚めた妻子は、死ぬ前と同じ生活を始める。
研究所には新しいドナーが届くことになり、次こそ実験の失敗は許されない。
しかし実験を実行しても同じ状況を作り出してしまうだけだ。
ウィリアムはドナーが汚染されていると嘘をつき、実験を中止させ、自らの神経情報を採取する。
家ではモナが、日常感じていた小さな違和感を積もらせてウィリアムを問い詰める。
ウィリアムはモナに真実を告げ、モナが同じ立場だったらどうするかと諭すのだった。
ある日、エドから全てを聞いたジョーンズが訪ねてきた。
実は、バイオナイン産業はウィリアムの研究を戦争に利用することを考えており、ジョーンズは神経情報のアルゴリズムを渡すよう要求する。
命の危険を感じたウィリアムは、妻子を連れて逃走。
しかし妻子が捕らえられて人質とされ、ウィリアムは研究所へ戻らざるを得なくなる。
ジョーンズはウィリアムの目の前でエドを撃ち殺し、アルゴリズムを引き渡すよう脅迫する。
家族の安全のために、ウィリアムは再びアルゴリズムを
作り、機械人間に自らの神経情報をインプリント。
機械人間がウィリアムたちを逃がし、ジョーンズを攻撃。
そして、この研究で大富豪にならないかと取引を持ちかける。
17日後、海水浴を楽しんでいる家族のもとに、ウィリアムがゾーイのクローンを連れてくる。
一方機械人間のウィリアムは、研究結果を用いてジョーンズにアラブの大富豪にクローンの体を提供する取引をしているのだった。



倫理に悖る展開なので、クローンの妻子は再び死んでしまって、ウィリアムは現実を受け入れるしかない…というオチになるかと思っていたので意外な展開。
知らないだけで、いつのまにかクローンが増えている未来が訪れるだろう。
ウィリアムはなぜ諦める対象をゾーイにしたのか。
ウィリアムが人間らしい姿を見せる場面は少ない。
苦悶の描写があまりにも少なくて、ウィリアムに対して感情移入できない。
エドに指摘されないと、仕事は疎かにするわアリバイ作りはしないわ家も片付けないわ。
逃走も、逃げ切れるわけもないのにどこへ!?と行き当たりばったり感が否めない。
エドはウィリアムに巻き込まれたかたちでリスクを犯し、最終的に殺されてしまう。
一番いい奴なのに一番可哀想だった。
悪役のジョーンズが結局いい思いできてるのも複雑。
ヘッドギアのようなものをつけてのコンピュータ操作の描写は面白かった。
無名のひと

無名のひと