悪魔の毒々クチビル

犯罪都市の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

犯罪都市(2017年製作の映画)
4.3
悪党を制圧するのは唯一無二の二の腕

ヤクザを一斉逮捕する為に奮闘する刑事たちのお話。

続編が絶賛公開中のこのシリーズ、いつか観ようかなと思っていましたがネトフリにあるのを先日知ってどれどれと。

何だこれ思いの外面白い!!

太過ぎて腕なのか脚なのかそれ以外なのか分からない我等がマブリーことマ・ドンソクという圧倒的存在が、刑事でありながら対立する街のヤクザの組同士の関係を取り持って大ごとを避けているという裏社会も地味にその豪腕で調整している設定が良いですね。
ヤクザ側もボスだろうがチンピラだろうがあの嘘みたいなガタイのマブリーに言われたらしぶしぶ従わざるを得ない訳で。
仲間想いでもあって、実際ハチャメチャな一面に振り回されつつしっかり付いて来てくれる部下や班長なんかを観ていると、確かな信頼関係が伺えますね。
定食屋で働く少年ワンオとのやり取りも好き。

その均衡が保たれていたバランスを中国から来た3人組がぶち壊してまさに血で血を洗う抗争が始まりますが、直接的な描写は控え目ながらも有無を云わさぬ暴力性は流石の一言でした。
特にこの3人組は目も当てられないバイオレンスクズ。ボスの一見冷静なのかと思いきや衝動的に殺しに走るサイコっぷりが強烈でした。
初めて来た地の組のボスをバラバラ死体にしちゃうからね、むっちゃ凶暴やん。
そう言えばバラバラにされたあのボス、「イカゲーム」のホ・ソンテでしたね。

一方でコミカルな要素も多々あって意外ではあったんだけど、これがまた凄く面白い。
特にマブリー演じるソクトの所属する強力班メンバーのやり取りはどれもベタでニッコリよ。
上司とは思えないくらい威厳の無い班長とか良いですよね。
「真実の部屋」のくだりも好きだし、しれっと班長が尋問する時だけ監視カメラを隠すのも好きなんだけど、一番笑えたのは悪党の「弁護士を呼べ!」に対してスタンガンを持ったソクトによる「弁護士のスタンさんだ」バチバチィッ!!!でした。
容赦無いバイオレンスとコメディの配分が絶妙で、そこが予想していなかったけど最終的に一番気に入った部分でもありました。

2時間という長さの割にマブリーアクションは多くはないんだけど、体格差をこれでもかと見せ付けた格闘シーンはどれも圧巻でした。
あんなビンタ山ちゃんでもリアクション芸に変えられませんわ。
子どもにも容赦無しだし、普通に強い悪党を最終的にはマブリーがボコボコにしてスカッとさせる、これまたベタな構造なんだけどやっぱこれが好きなんだよね。
そこの一騎討ちでもボスのチャンに「一人か?」と聞かれて「まだ独身だ」と即答する兄貴…格好良いぜ…

てな訳で続編も興味そこそこだったんだけどこれは観ねばと思い直し、実はこれ書いている時点で2も観に行っちゃいました。
クッソ面白かったからそっちも早く感想書こう!