らっとちゃん

犯罪都市のらっとちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

犯罪都市(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

暴力と身内との和と成り上がりたい欲の独特な価値観。そんな街の暴力警官たちの日常の中のささやかなコミカルさ。起こってる事件もふつーに暴力組織の抗争で、関係性はちょっとややこしい割に結果は傷害からそれが行き過ぎて殺人。
なにもかもが全然ギラギラしてない、派手じゃない感じ。すんごい良い。

登場人物たちもみんなそう!なんかみんな全然めっちゃ美男美女ってわけではない。
でもなーんかキャラが立ってる。マドンソクの絶対負けないゴツさもそうだけど、班長とか、同僚たちとか、なんかめっちゃみんな"顔"がね、良いんだよね。絶妙に現実にいそ〜かつなんか特徴的。
特に好きなのがイス組の親分!どことなく小物っぽいのに1発で覚えられる顔。スキンヘッド似合いすぎだし、表情も仕草もめちゃ良い〜。
大ボス・チャンのロン毛も「チャイニーズマフィアでロン毛はコテコテ過ぎ?」とは思いつつ、やっぱりカッコイイ〜!最初の髪結びシーンのくるっと捻ってから巻いて結ぶ感じ、ロング雑まとめ仕草として完璧だし、その適当な感じがキャラ像にあっててもう良い。「絶対髪解いてのバトルある!」と思ってたら、最後の一騎打ちで殴り合いでのヘアスタイル崩れからの、ビショビショ吠え……完全に製作陣が上手だった。悔しい。

上手といえば、あの良い奴な後輩。お話の中でスポットが当たった時に「こいつ絶対死ぬじゃん……」って思ったけど、死なないんだよね!しかもギリギリのとこでカッコよくソクトが助けるというめちゃアツい展開……いや〜良い裏切られ方。
味方の仲間ばっか都合よく生き残る展開は普段はすごく嫌なんだけど、今回は本当に予想外だったのとお話的にも機能してる(主人公の見せ場かつ後輩の復帰と成長)と思えて全然納得。生きてて良かった!

生きた人間の命の取り合いの暴力だなあ、って感じの重めのアクションがめっちゃ良い。敵のボスの殴り合いのシーンでも、まじでどっちが勝つかわからなく見える、というか、本当に少しの差でどっちが死んでもおかしくない感じ。これは画面見入っちゃうよ。ながら見は無理。
そして、その中で強いやつっていうのは躊躇いなく暴力を為せる人間なんだっていうね……殴られる痛みは想像できなくても、目の前の人間がナイフ突き刺してくる怖さはなんか想像できるからね。
こういう日常と非日常の隣合わせなところがめっちゃヒリヒリして締まってる。
敵の武器、斧なのもいいよな〜地味に怖い。

いい意味での全体的な地味さも、キャラ萌え的にも、アクションの傾向も、コメディの笑って良いんだかみたいな感じ(上司めっちゃ機嫌悪いとか)も、めっっっちゃ好みで面白かった!




気づいたんだけど、暴力&コミカルな作品は、怒ってるっぽく聞こえる言語が合うよね。
関西弁とか広島弁とかもこの類なんかな〜、もしくはそのイメージがあるからこそそう思うのか。
普段お家映画は吹替だけど、このシリーズは字幕で観ちゃうなあ。