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水霊 ミズチの消費者のレビュー・感想・評価

水霊 ミズチ(2006年製作の映画)
3.2
・ジャンル
オカルトホラー/サスペンス

・あらすじ
新聞記者の戸隠響子は取材で関わりのあった大学教授、杜川乙一郎の突然の自殺に疑問を抱いていた
杜川は死の直前まで水の調査をしており、彼の遺品である手帳には「のむな しにみず」という言葉が…
更に杜川の自殺を皮切りに同様の手口による自殺が相次ぎ、響子は“死に水”への疑念を強めていく

・感想
田中啓文の同名小説を実写化した作品

映像の不気味さや生活に欠かせない水を呪いを媒介する物とした設定などは面白いし、「リング」と近い登場人物達の役柄や調査を軸としているのも悪くなかった
“ミズチ”による死の連鎖の描写もなかなか気持ち悪くて良い
特に弘美の授業中の自殺や美里が金魚ごと水槽の水を飲み干してしまう、美里の自殺を受けた由美のまち針を目に突き刺し首を吊るという自殺未遂、志保の窓越しに映る絶叫しながらの投身自殺などは結構好みな場面だった

だからこそ正体や背景などが何も描かれないまま終わってしまったのがとにかく残念
黄泉という言葉にちなんだ黄色い泉というのも登場しないし…
全体的に投げっぱなしなんだよなぁ…
キャストもそれなりに豪華だしもっと作り込んで欲しかった

最終的に響子もまた自殺してしまう訳だけどそれと共に語られる人が見ている物は同じなのか、という序盤と同じ語りにしても真相が明かされていないせいで重たく響かず…
光る部分はそれなりにあっただけにただただ惜しい作品だった
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