Punisher田中

坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK : asyncのPunisher田中のレビュー・感想・評価

3.9
坂本龍一さんが亡くなられたことを機に再鑑賞。
このライブは""音楽""の解釈をさらに深く広げた物であり、坂本龍一さんの音楽ではちょくちょく感じられるインダストリアルな側面が高い純度で音楽として紡がれている特徴的な物だった。
サウンドの全てが心地良いという訳ではなく、まるで僕達で実験しているかの様に思われる実験的なサウンド達は、音楽に一才精通していない所もあって僕には良し悪しをつけることができなかったが、彼が教授と云われる所以がぎちぎちに詰まった作品の様に受け取れる。
それは、ただ""心地良い""サウンドというだけでは決してなく、音楽というか音の本質に迫った追求の一作。
混ざらない一つ一つの音が持つ美しさを表現し、自分はどの音が好きなのか、どの音を音楽として受け入れることができるのかを問いかけている様に感じられた。
凄く興味深い作品。