安堵霊タラコフスキー

十年 Ten Years Thailandの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

十年 Ten Years Thailand(2018年製作の映画)
3.7
四人の監督の作品をまとめたタイのオムニバス映画。

一作目4.5
aditya assaratという初耳の監督の作品だったが、正直これが一番の収穫だった。

小津と成瀬のちょうど間を行くような映像と編集で、やっぱり成瀬風撮り方はもう少しでも小津に寄せるだけでも機能的な効果を抑えられたんだなと逆説的に感じる作品となった。(写真を撮ることという作品テーマとそれを踏まえたラストも良かった)

二作目3.8
基本的に世にも奇妙な物語らしいライトなSF作品となっていたのだけど、ダルデンヌ兄弟風長回しを意識したような撮り方と作品の主題となる種族を最初に捉えるカメラが良かった。

三作目2.0
意図はわかったけど電子ドラッグみたいな後半の映像には色んな意味でゲンナリしたので途中で寝た。

四作目4.5
目当てだったアピチャッポンの作品で、相変わらず穏やかなタッチは心地良いなと思いつつも前の作品の余波もあって少しウトウトしてしまったのが悔やまれる。

結論としては最初のaditya assaratの作品と最後のアピチャッポンの作品が好みで、この二作はもう一度見たいなと思った。(特に所々朧気となっているアピチャッポン作品)