テリーマザーファッカー虎

ピンカートンに会いに行くのテリーマザーファッカー虎のレビュー・感想・評価

ピンカートンに会いに行く(2017年製作の映画)
3.7
人生に行き詰まったおばさんが過去と対峙していく物としては『サニー 永遠の仲間たち』に近い物を感じました。

『恋人たち』などの松竹ブロードウェイ~制作の作品ということもあって、単館系ならではの独特の空気感と圧倒的なクオリティで見せきっていて面白かった。

とにかく役者陣がひたすら素晴らしくて、主演の内田慈の十八番な感じ悪いおばさんっぷりは最高だったし、登場は後半になるものの松本若菜の佇まいも良かった。
そして主人公のアイドル時代を演じた小川あんの目の大きさと、ちゃんと内田慈の感じ悪さを纏っているのも上手かった。

ただシナリオ面では短い故なのか、所々「うん?」となる部分が多かったのが残念。
反抗期の娘が「再結成したら学校行く」なんて言う件も何故そうなったのかが描かれてないうえに、そんなに本筋に絡んでこないので引っ掛かってしまったし、集結してからライブまでがいくらなんでもはしょり過ぎてて急に乗れなくなったり。。。

それと多分監督にアイドルへの思い入れがそんなに無いんじゃないかなというのも少し思えてしまって、そこら辺が本当もったいなかった気がします。

ただ非常に楽しく見れましたし、短いのでサクッと見れたのも良かった。でも逆にあと20分くらい増やしてもっと掘り下げてほしかった。。。