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Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~のKUBOのレビュー・感想・評価

3.8
11月5本目の試写会は「Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~」。

チャールズ・ディケンズが、あの名作「クリスマス・キャロル」を書くまでのお話(って、今日は作家ネタの映画連チャンだな)。

ディケンズが、思いついたひとつひとつのアイデアがそこにいるかのように現れて「クリスマス・キャロル」の世界がファンタジーのように描かれる。

冒頭からしばらくは、低年齢層向けのファミリームービーかと思っていたら…

「ウォーレンの靴墨工場」がシンボリックに何度も出てきたり、両親が借金から逮捕されて監獄に連れて行かれるシーンなど、ディケンズ自身の幼少期の悲惨な体験がフラッシュバックとともに、織り交ぜられ始める。

ディケンズ自身が「3人の精霊」に過去・現在・未来と連れて行かれ、変わるのは「スクルージ」であり「ディケンズ」であるという構造。

「クリスマス・キャロル」と「ディケンズの過去」を織り交ぜた複雑なプロットは、何歳くらいから理解できるだろうか?

終盤はかなり大人向けにも思えるんだけど、最後の最後はまたファミリームービー的に終わるという、よくできた脚本なんだけど、難易度と対象年齢が合ってないような気も。もっと大人向けにしちゃっても良かったんじゃないかな?

一般論的に言えば、ファミリーで見に行って、子どもはよくわかんないけどなんとなく楽しかった、大人はディケンズに関する文学的な楽しみ方のできる作品なのだろう。う〜ん、ただよくばってターゲットを散漫にしたかも。

私は「クリスマス・キャロル」自体に思い入れがあるので、新たな切り口で作られた本作はなかなか楽しめた。
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