ちろる

Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~のちろるのレビュー・感想・評価

4.0
あの「クリスマス キャロル」を書いた、チャールズ ディキンスのクリスマス キャロルを描くまでの産みの苦しみを描いたストーリー。
あの大人の心にも響くファンタジーの名作は如何様にして生まれたのか?
史実と想像を掛け合わせてチャールズの葛藤をこちらまで体感できるような壮大な演出が素晴らしい。
始めに描かれるディケンズの姿からなぜあの守銭奴のスクルージというキャラクターが生まれたのか、分からずなかなか物語に乗れなかったけれど、だんだんとディケンズとスクルージーが表裏一体のように感じてくる過去の闇を探るエピソードあたりからどんどん引き込まれて、嬉しくなったり切なくなったり私の心は忙しくなった。

ディケンズが実際そうだったのかは分からないけれど、やはりなにかクリエイティブなものをを作り出す時って、こんな風にまるで何かが降りきて、まるで自分の手を離れたような感覚で妄想の世界が動き出すのだと思う。
作家だけではなく、ミュージシャンも詩人も画家もみんなきっとそうだ。
そんな素晴らしきクリエイターの世界を一緒に体感したみたいな作品、まだの人はぜひクリスマス キャロルを一度おさらいしてから行けばディケンズの精神世界がもっと深く響いてくるはずです。
ちろる

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