桜庭信一

夜の大捜査線の桜庭信一のレビュー・感想・評価

夜の大捜査線(1967年製作の映画)
4.0
露骨までの人種差別映画。
事件はさほど大したないが、画面内の緊張感が凄い。
一見して、シドニー・ポワチエが主役に見えるが、この映画の主役は署長役のロッド・スタイガーだ。白人と言うだけで黒人を見下しているが、自分は田舎育ちで、黒人刑事は自分より優秀。それを知った署長は劣るのは自分である事を気付く。

設定は南部だが、撮影は北部。しかし、綿花畑のシーンは実際の南部のテネシー州。4日間の撮影したが、実際にシドニー・ポワチエが嫌がらせを受けたらしい。
そんな話を読むとアメリカの黒人に対する差別は今でも変わらない。

1963年に『野のユリ』で黒人俳優で初の歴史的快挙、オスカー賞受賞。
その後の活躍はハリウッドで一番有名な黒人となって行く。
2023/8 65本目
桜庭信一

桜庭信一