ShinMakita

夜の大捜査線のShinMakitaのレビュー・感想・評価

夜の大捜査線(1967年製作の映画)
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*ノーマン・ジュイソン死去…過去レビュー再録


ミシシッピ州、スパータ。この南部の田舎町で、巡回中のサム・ウッド巡査が撲殺死体を発見した。うだるような暑い夜のことだ。被害者は、町の開発にやってきた大物コルバート。所持していたはずの財布はなくなっている。新任署長ビル・ギレスビーは、ゆきずりの強盗殺人事件と断定し、怪しい奴を片っ端からしょっぴけと部下に命令する。そして、深夜の駅で始発を待っていた一人の黒人が連行されてきた。ぱりっとしたスーツ姿だったが、「よそ者」で「黒人」だから、という理由で、ギレスビーは彼を犯人と決めつける。しかしその黒人は、実はフィラデルフィア警察殺人課の腕利き刑事バージル・ティップスであった。帰省中、たまたまスパータ駅で列車を待っていただけのティップスに、殺人事件の経験ゼロのギレスビーは捜査協力を依頼する。しかし翌朝、アッサリと容疑者が逮捕された。町の若者ハーベイが、コルバートの財布を持っていたのだ。ティップスの力を借りなくても解決出来たと得意顔のギレスビーだが、ティップスは「ハーベイは犯人ではない。財布を拾っただけだ」と主張する。コルバートの頭部の傷の角度から、ホシは右利きのはず。左利きのハーベイが犯人のはずが無いと言うのだ。苦々しい顔のギレスビーは、ティップスを追い返そうとするのだが・・・




『夜の大捜査線』



闇の中を一直線に照らし出す列車のライトにレイ・チャールズの主題歌が被ってタイトル・・・というオープニングのカッコ良さに痺れます。ハーベイ追跡シーンの手持ちカメラのカットなど、60年代というより<プレ70年代>と言うべき洒落た作りの映画でした。人種差別がテーマの一つなんですが、深く問題提起がされている訳ではありません。純粋に刑事映画として楽しめる内容でしたね。まだ若いポワチエは、一応主役ではあるものの固さが目立ちます。やはりいい演技を見せるのはギレスビー役のロッド・スタイガーのほう。オスカー受賞も頷ける名演でした。
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