エアール

ヴェロニカのエアールのレビュー・感想・評価

ヴェロニカ(2017年製作の映画)
3.4
洞窟で過ごす”彼ら”のお話を
ご紹介しよう
ーー生まれた時から
首も足も縛られていて
彼らは洞窟の壁を見ることしかできない。

洞窟につながる廊下には暖炉があり
その先には外へと通じる唯一の出口がある。
別の男たちが後ろから火に物をかざすと
それは影となって壁に映る、
彼らに見えるのは影だけ。
そして彼らは影を”現実”と認識する
ーー唯一の現実であると。

ではもし彼らの1人が自由になったら?
洞窟から飛び出て広い世界を知ったら?
ーー太陽の光に目をやられて、
次第に目が慣れてくると
今まで見続けてきたものはすべて影だったと気付く
ーー現実の投影であったことに。

彼は仲間に真実を伝えるために洞窟へと戻る。
でも誰もが笑い、彼の言葉に耳を貸さない。

そして彼はこう言う、
”僕は殺される”
”偽りの影の生活を続けるために…”


人里離れたところに建つ別荘と山小屋、
そこでひっそりと生活する1人の女性心理学者、
診察や精神分析からしばらく遠ざかっている彼女のもとに舞い込む初診患者の診察依頼
ーーヴェロニカ・デ・ラ・セルナ、25歳女性。
初診患者お断りを主張する彼女だが、
ヴェロニカの前任医師がアレクサンダー・ヴァン・ロッシ
ーーかつて自身の教授であった
と聞いて止むを得ず引き受けることに。

住居兼診療所である別荘に
ヴェロニカを招き入れ
医師と患者の共同生活が始まるのだが
セラピーに非協力的なヴェロニカに頭を抱え、
自身のメンタルも不安定になっていく…。


回避傾向、
ロッシ先生の最後の診察は約1ヶ月前、その後医師は行方不明、
毎晩繰り返し見る同じ夢、
幼少期とトラウマ、
解離性健忘、
催眠誘導、
”家族”、
優位だった立場は次第に劣位へと、
性的虐待、嗜好、サディズム、
潜在意識、…。


見えてるものがすべて真実とは限らない。
心の病を患う少女と彼女を診る精神科医、その構図が物語が進むとまったく異なる関係へと変わってしまう…
そこがひとつ面白いところでもあり、
注意深く本編を見てるとたしかにうまく成り立ってしまうという 笑
若干こじつけと思えるところとありますがそこは目を瞑ります 笑
エアール

エアール