『総勢12人(の兵士)』
(原題”12 strong”)
「我々が一番手だ」
9・11(アメリカ同時多発テロ事件)直後。
アフガニスタン潜入。
アメリカ人ジャーナリスト、ダグ・スタントン著、邦題『ホース・ソルジャー”Horse Soldiers”』の映像化。
デンマーク人ニコライ・フルシーの初映画監督作品。
初監督作品とは思えない、リアリティを保ちつつ、ダイナミックな映像は見応えがある。
ジェリー・ブラッカイマーが製作にクレジットされているせいもあるのだろうか。
特に、ラストの戦闘。
戦車が動き、ロケット弾が飛び交うなか、アサルトライフルを装備した迷彩塗装のアメリカ兵を乗せた馬たちが疾走する映像は、新鮮で他に類を見ない。
「今日の敵が明日には敵になる
ここでは米国も部族のひとつに過ぎん
去れば臆病者となるし
残れば敵となるだろう」
ただの”戦争ヒーロー”ものでは描かれない部分も、随所に散りばめられている。
「難しいです
家族を納得させ出征するのは」
ハル・スペンサー准尉役マイケル・シャノンが、文字通り、劇中の部隊だけでなく、映画自体の脇を固める。
ちなみに、妻ジーン役エルサ・パタキーは、プライベートでも、クリス・ヘムズワースの妻。
エンディングロールの曲、Zac Brown“It Goes On”。
「君に守れない約束はしない」
クリス・ヘムズワース演じるミッチ・ネルソン大尉の劇中のセリフとリンクして、鑑賞後の余韻を深める。