Masato

ホース・ソルジャーのMasatoのレビュー・感想・評価

ホース・ソルジャー(2018年製作の映画)
3.3

タイラーレイクの流れでミリタリーモノを見たかったのでクリヘム主演のコチラを鑑賞。

9.11直後のアフガン紛争で12人のグリーンベレーたちが馬に乗りながらタリバンとアルカイダの領地に攻め込んだ実話を映画化。

独自性のあるアイコニックな乗馬のシーンもあり、戦争映画として最低限の要素はキッチリ描かれていて迫力の戦闘シーンもあって面白くなくはないが、色々な所が惜しくて微妙に感じられてしまう映画。

兵士たちの功績や勇敢さは疑いようがなくて尊敬すべきだが、勧善懲悪すぎてデフォルメされた物語に深みが無いのが残念。たしかにタリバン政権はクソそのものだが…。戦友となるドスタム将軍も調べればすぐに悪名高いと書かれていて、クリヘム演じる主人公がソルジャーからウォリアーとなる精神的成長の足がけとなるキャラとして描かれていてカッコいいけれども、実際のやっていることはクズまみれで残念。

兵士の功績はリスペクトしつつ、どれか一つでもアメリカを非難するような要素を入れてほしかった。これだとただのプロパガンダにしか見えない。昔の映画なら見れるけど、最近作られたと思うと見苦しく感じる。だとしてもめちゃくちゃ良いアクションありゃ問題ないけど、そこまででもないから駄目。

そうしたあらゆるものが美化されすぎて保守でもない人が見ると違和感を覚えるようなこともあるし、それと同時にプロットが予定調和ってのもある。クライマックス手前のドスタム将軍の行動は映画的に見ても分かりやすすぎるから簡単に予想がつく。それと作戦内容がイマイチ分かりづらいってのも悲しいかな難点。侵攻なので徐々に場所を移すけれども、どれも似たような砂漠の町みたいなのが舞台なので、どこのどの部分でそれぞれが闘っていているのかが全く分からない。位置関係の把握しづらさは戦争映画としては致命的かもしれない。

戦争アクションとしては及第点といったところ。ジェリー・ブラッカイマー節のアメリカ映画らしいドンパチ爆発祭り。ただタクティカルな部分はあまり見せてくれずガンサウンドも普通。タイラーレイク見たあとだから余計に感じた。

クリヘムとエルサ・パタキのリアル夫婦が出てきたのは笑った。相変わらずイケメンです。
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