塚本

カメラを止めるな!の塚本のネタバレレビュー・内容・結末

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

映画愛に溢れた映画なんて巷じゃ騒がれていますが、むむむ…どうなんでしょう。

…これまでカラオケ画像など(作家オーラ全開の娘にとっては妥協の産物にしか見えない)“早い、安い、そしてそこそこ”の仕事に甘んじてきた日暮監督に、ドラマ制作の話が持ち込まれます。

与えられた仕事とはいえ作るものは己の作品には違いありません。
初めての“映像作品”…そこに己の思いの丈や独自のテクニックを込められると共に、我が娘に父親の本気を見せれる最大のチャンスじゃないですか。映画的にも「バードマン」のようなエモーショナルなモチーフが盛り込めたと思うんですよ。

しかし出来上がった作品は、やはりやっつけ、そこそこ…挙句に娘の機転で上手く収まる、というお粗末さ。

そもそも作中の監督は“本当に"「ONE CUT OF THE DEAD」を撮りたかったのかという問題があります。

本作はそんなとこを描いているんじゃない、と言われるかも…ですが、いやいやそこをキッチリしとかんと、ただの小手先だけのものに成り下がっちゃいます。
前半の伏線(瑕疵)を後半、スラップスティックなドタバタだけで回収して終わり…加えてクライマックスが人間クレーンって…スカスカやないですか。
ましてや彼らが作ってるのはゾンビ映画ですよ。

ゾンビ映画は“志”(映画愛)がなければ良いものは絶対に作れません。

「桐島、部活やめるってよ」での神木隆之介クンが、何故あれほどゾンビ映画にこだわったのか….そして何故、去年惜しくも亡くなられたジョージ・A・ロメロ御大が、エドガー・ライトの「ショーン・オブ・ザ・デッド」こそ正統なゾンビ映画の嫡流だ、と仰ったのか…それが分からない限りゾンビには手を出すんじゃない!と俺個人としては声を大にして言いたいんですよ。
逆に言えば、せっかくゾンビ映画をフレームとして採用したんやから、もっと奥行きのある作品が出来たんじゃないかな、と。


….呪文でゾンビ…って…それは「死霊のはらわた」や!
塚本

塚本