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愛の病のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

愛の病(2017年製作の映画)
4.0
悪い男から逃げるため子供と生きるため出会い系サイトのサクラとして働き始めた若きシングルマザーのエミコ(瀬戸さおり)は、工員の真之助(岡山天音)に目をつけ、金を貢がせることを思いつく。エミコに入れ込んでいた真之助を騙すのは容易く、「私はヤクザの組長の娘。結婚を認めてもらうには組への登録料が必要」などと騙し、大金を毟りとることに成功する。しかし、金は元夫からの恐喝や生活費に消えてしまい手元には残らない。そんなある日、エミコは、解体作業員のアキラ(八木将康)と出会い一目惚れ。身も心も捧げるが、アキラには重度障害の姉・香澄(山田真歩)がいることを知る。香澄の存在に煩わしさを感じ、いっそ殺してしまいたいと思ったエミコが連絡した先は、真之助であった・・・。 
2002年に実際に和歌山で起こった「和歌山出会い系サイト強盗殺人事件」を映画化。
これまで、男と女の欲望やズルさや愛をラブコメディで描いてきた吉田浩太が、実録犯罪ものに挑む意欲作。
ギャンブルにはまって借金まみれの男から逃げるため、子供と理想の男と幸せになるために、出会い系サイトで男を引っかけては食い物にして利用するエミコを演じる瀬戸さおりのやさぐれた感じや理想の男の前では可愛い女を演じたり、出会い系サイトで引っかけ利用する男に対する強気な感じが、底辺で必死に生きる女性のリアル感がよく出ている。
エミコに最後まで利用される真之助の、男の惚れた女に対するバカさ加減もリアルで、まさに「愛の病」にかかった男と女が犯罪を犯す実録犯罪ラブコメディとして楽しめる。
劇中で流れる歌や「悪魔に魂を売ってはいけません」という看板に皮肉がこもっていて、笑える。
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