トイダラス

ファントム・スレッドのトイダラスのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
-
5月上旬、予告ポスターを武蔵野館で見て絶対見ようと携帯に写真を納めた作品。

あれから、1ヶ月少し、
ようやく拝見できた。

雨の中、時間が押してて
流されるようにして劇場に駆け込んだ
動悸が凄くて、オープニングは
息を殺すのに必死だった
それくらい静かで淡々とした
スタートであったと思う

最初から書き出すとキリがないほど
130分の中にそれ以上の時が凝縮されていた

人の中にある、欲望、熱情
誰の中にもあって、誰かの中に一部を垣間見たことがあって
きっと自分の中にもある
そんな人の弱さと一部依存のような執着心を有り有りと見せつけられた。

あらゆる女性達を虜にしてしまう
罪な男レイノルズ

半分枯れ専のような私にとって
理想的な色気と哀愁漂う面持ちは
目で追い、感嘆してしまう素敵さ

デザイナーにありがちな
洗練された生活、仕事に従事する姿勢の厳しさ、各所に見受けられる気難しさ、気分屋なところ

それを全て鵜呑みにしてしまったら、
自分を肯定されていないような
感覚に囚われ始めるアルマ

愛情から生まれた毒で
死と向き合った時
レイノルズは気づかされてしまった

誰かに頼りたい

そんな思いを認めたくない
知りたくない

でも一度知ってしまうと
前の自分には戻れない

二人はどこへ向かうのか

空腹で映画館に駆け込んだはずが
そんな気分でもなくっていた

でも生きるために飯を掻き込む

みんなみんな愛と生に飢えた子供