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ドント・ウォーリーのTOTのレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
3.7
ガス・ヴァン・サント監督ティーチイン付。
良かったなぁ。
事故で下半身麻痺になった風刺漫画家ジョン・キャラハンの半生。
道に迷う時、過去と他者、そして自分を許して未来が開く。
エモーショナルでありながら、脚本・編集・音楽の遊びも効いて、実に監督らしい風合い。
一緒に登壇した野村訓市さんが言ってたように「大人の為のグッド・ウィル・ハンティング」ですね。
キム・ゴードンやウド・キアー、ガス・ヴァン・サント監督作品常連組も嬉しいし、ルーニー・マーラは素敵で(恋に落ちそうにかわいい装いで登場)、ジャック・ブラックも流石のインパクト。
ちらっとだけど、ジョナ・ヒル監督『mid90s』主演のサニー・ソリヤックが出てて心が躍った。
ホアキン・フェニックスは当たり前みたいに素晴らしいけど、ジョナ・ヒル!!ジョナ・ヒルがやべぇ!!!!
禁酒会主催者でお金持ちでゲイ、自身も過去に問題を抱えながら、ホアキン・フェニックス演じるキャラハンを導く存在なんですけど、私史上こんなジョナ・ヒル見たことねぇ!!!!!ってくらいセクシーで危うい雰囲気のジョナ・ヒルです。
詳細には語られない彼の顛末も沁みる(でも、観てると薄々そうだろうなと感じる)。
禁酒会のセラピーは宗教っぽく、PTA『ザ・マスター』的ツイストをするかと思いきや、しない(実話ベースだからそりゃそうか)。いや、したら怖いからしなくていいけど。
あと、電動車椅子えらいスピード出るなぁと思ったら、日本だと時速6kmくらいがMAXだけど、海外のは16km以上出るのもあるのね。ママチャリかよ。

登壇したガス・ヴァン・サント監督はチェックon チェックのお洋服でそれはもう素敵だった。
初めて観た『ドラッグストア・カウボーイ』や『マイ・プライベート・アイダホ』の時より柔和で優しい表情。
生きていると、自分が思春期に衝撃を受けた監督に会える。
ありがとう、人生。
ありがとう、世界。
いま書いてる脚本は、パリのファッションウィークに行く父と子の物語だそうです。なにそれ観たい。
とりあえずこちらは5月3日公開。観てね。
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